令和2年11月30日
朝礼講話
生徒のみなさん、おはようございます。 きょうは、ピアノなどの鍵盤楽器の黒鍵の秘密についてお話しします。
私は、ピアノはほとん弾けませんが、チューリップの歌ぐらいなら弾けます。
ドレミ ドレミ ソミレドレミレ (^^♪
これは、ドで始まる ハ長調ですが、レで始まるニ長調にすると
レミファ# レミファ# ラファ#ミレミファ#ミ となり、ファの音は半音高い黒鍵を使わなくてはなりません。もし、黒鍵を使わないと
レミファ レミファ ラファミレミファミ (~_~;)
ニ短調となり、暗い感じの曲になります。「咲いた、咲いた」ではなく、「枯れた、枯れた、どの花見てもお疲れ様」みたいな感じになってしまいます。
このように、ピアノは音程によって使う黒鍵が異なり、指の押さえ方も違ってきます。これがピアノを初めて習う人にとって、大きな壁となります。
でも、ある人たちにとっては、ピアノを弾くときにこの黒鍵が非常に大切になってきます。そのある人たちとは目の不自由な方たちです。私は、以前勤めていた学校で目が全く見えないプロのピアニストの方にお越しいただき、ピアノ演奏を聞かせてもらったことがありました。
まったく目が見えないのに、ベートーベンやショパンなど素晴らしい演奏を聞かせてもらいました。演奏が終わった後、私はその方に、「ピアノは目が見える人にとっても黒鍵があるから難しいです」とお話しすると、その方は「いや、黒鍵が点字ブロックのような役割を果たしているのです。もし、黒鍵がなかったら視覚障害者はピアノは弾けません」とおっしゃいました。
私は何か大切なことを気づかされたような気持になりました。みなさんは、どう思いますか・・・
でも、自分には障害がないからあまり関係ないやと思う人もいるでしょう。しかし、障害がなくても生きていく中で死にたくなるような辛い困難を経験することがあるかもしれません。実際に、毎年約3万人前後の人が自殺で自ら命を絶っています。特に今年はこの感染症で急激に増えています。
本当に辛いとき、ちょっと待って。視覚障害者にとってピアノの黒鍵のように、困難を助けてくれる黒鍵のようなものがきっと身近にあるはずだと思います。それは、人だったり、物だったり、動物だったり、新しい考え方だったり、何かが黒鍵のような役割を果たしてくれると思います。
最後に、あまり時間はありませんが、今、視覚障害がありながらプロのピアニストとして活躍されている 辻井 伸行 さん演奏による ベートーベン作曲の 悲愴 をお聞きください。
https://www.youtube.com/results?search_query=%E8%BE%BB%E4%BA%95+%E6%82%B2%E6%84%B4