令和2年11月2日
朝礼講話
きょうは、人間に一番近いお猿さんとの共通点と違いについてお話をします。人間の社会の在り方や、自分の生き方について参考にしてほしいと思います。
まずは共通点です。人間と猿は進化の途中まで同じ道をたどってきましたので、共通点がたくさんあります。4種類のサルを例に説明します。
まずは、このチンパンジーです。チンパンジーはリーダーシップをとるのが得意です。「みんな、私についてきなさいという」性格です。でも時には、リーダーの座を巡って争いになったりします。この点、人間と共通点がありますね。
次に、オラウータンです。オラウータンはチンパンジーのように感情を表に出しませんが、冷静に行動できる性格です。人間でいうと研究者や、リーダーが正しい判断ができるようアドバイスをするタイプです。
次に、ボノボです。ボノボは非常に家族愛が強く、家族のつながりを大切にします。人間でいうととっても面倒見の良い、心優しい性格で、落ち込んだ時もまわりを盛り上げてくれるタイプです。
最後に、ゴリラです。ゴリラはドラえもんのジャイアンを連想し、乱暴者という印象がありますが、実は一番の平和主義者です。争いごとを好まず、仲間の和や集団の秩序を大切にします。また、真面目に物事にも取り組みます。日本人に多くみられるタイプです。
どうですか、それぞれの猿のタイプを紹介しましたが、どれも人間に共通するところがありますね。では、違うところは何でしょうか。
それは、お猿さんの性格には多様性が少ないということです。
チンパンジーはみなリーダーになりたがる、オラウータンはみな冷静に行動したがる、ボノボはみな面倒をみたがる、ゴリラはみな仲間の和を大切にする傾向にあります。みな同じような性格のお猿さんの集団となっています。
でも、人間はこの4つの性格の人がだいたいどの集団にもいますね。そこが大きな違いです。リーダーがいて、それを支える冷静な人がいる。みんなに親切にしてくれる人がいて、まじめにコツコツ働いてくれる人がいるのです。だから人間は社会的にお猿さんたちよりも進化してきたのだと思います。
ただし、人間はお猿さんたちよりも偉いとはけして思いません。お猿さんたちは、人間と違い仲間同士殺し合いません。また、地球環境も破壊したりしません。そこは、見習うべきです。
一つは、今私が紹介した4種類の猿のうち、自分はどのタイプかな、あの人はどのタイプかなと考えるのは構いません。でも、人に向かって、お前はチンパンジーだ、ゴリラだなどとからかうことは、いじめになりますので絶対やらないこと。
もう一つは、自分はどのタイプかを考えるのはいいのですが、決めつけないでほしいのです。だれもが、リーダーになれるし、リーダーを支えるアドバイザーになれるし、面倒を見てあげる人になれるし、まじめにコツコツ頑張る人になれるのです。また、人生の場面場面で、その時々の状況や立場でこの4つの役割が求められるものです。
ここで、リーダーは生徒会役員や学級委員だけではありません。教科係はその教科についてのリーダーです。だれもが受け持っている係についてはそのリーダーです。
もうすぐ文化祭です。文化祭を成功させるには、この4つの役割が欠かせません。それぞれの場面でこの役割を果たしていきましょう。終わります。