2019年6月10日月曜日

校長講話、こんな話をしました。


令和元年6月10日

校長講話

生きる希望との出会い

 

 お早うございます。きょうは、「人は、希望の人と出会うことで、自分の殻を破って、生まれ変わることができる」というお話をします。

 このお話の主人公は、ある物語に登場してくる男の子なのですが、年齢は15歳前後の中学生か高校生です。その男の子は、学校では、「透明人間」と呼ばれていました。つまり、存在感のない、いてもいなくてもいいような扱いをされていました。また、その男の子も、みんなと交わるよりも、ひとりでいる方がいいと思っていました。

 

 季節は、梅雨に入るこの時期です。その男の子が学校の昼休み、校庭の隅に座っていると、何人かの女の子がボール遊びをしていました。そのとき、とりそこなったボールがその男の子のほうに転がってきました。すると、一人の女の子がその男の子のほうに近づいてきて、「ボールをこっちによこして」という合図をしました。でも、男の子は無視していました。それでも、その女の子は、ずっと、その男の子の方をみて、ボールをよこしてと合図をしていました。

 

 そのとき、その男の子は思いました。「透明人間と呼ばれていた僕のこと、僕の存在に気づいてくれたんだ」と。そして、男の子は立ち上がりました。すると、梅雨空の雲の隙間から光が差して、校庭に自分の影ができていることに気が付きました。もう、透明人間ではないんだと、思いました。

 

 それからこの男の子は変わり始めました。これまで拒否していたこの世界を美しいと感じるようになりました。その女の子の名前は知らないけれど、男の子は、君の名は「希望」と心の中で呼ぶようになりました。

 

 この物語は、ここまでなんですが、この男の子は、この女の子に一切声をかけてはいないんです。それでも、新しい自分に生まれ変わっていくことができました。このことから私は2つのことを思いました。

 

一つは、人には、自分に生きる希望を与えてくれる人が必ずいて、それも身近なところに、そして、その人のお陰で自分を変えられると、私は思います。

 もう一つは、この女の子の立場に立ってみると、この男の子が自分のことを希望と思ってくれているなんて、知りもしません。同じように、自分も誰か知らない人に自分のことを希望と思ってくれる人がいるかもしれません。また、今いなくても、これからの人生の中できっと自分のことに希望を抱いてくれる人がいると、私は思います。

 

 皆さんは、どう思いますか。実は、この物語は、このCD 乃木坂46の作品、「君の名は希望」という曲に出てくる男の子です。時間の関係で、1番だけ再生しますので、聞いてください。

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