令和2年4月7日
入学式 式辞
はじめに、ご臨席の皆様。本来であれば、本日は多くのご来賓の皆様方をお招きして第74回入学式を挙行できる予定でしたが、新型コロナウィルス感染予防のため、保護者の皆様方のご臨席のみとさせていただきました。一日も早い収束を願います。
本日10名の新入生をお迎えし、本校74回目の春を迎えることができました。今日の良き日が迎えられますのも、これまでいただいたご多くの皆様方のご支援のおかげと存じます。この場をお借りして厚く御礼を申し上げます。
保護者の皆様、お子様の御入学、誠におめでとうございます。真新しい制服に身を包んだお子様の晴れの姿をご覧になり、お喜びも一夕のことと拝察いたします。心よりお祝いを申し上げます。
中学校生活の3年間は大変短く感じられますが、この3年間は人の一生の中でも著しい成長を遂げる時期です。家庭と学校とが手を取り合いながら、お子様の成長を確かなものにしていきたいと思います。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。
新入生のみなさん、御入学おめでとうございます。きょうから皆さんは新島村立新島中学校の生徒です。みなさんのご入学を心より歓迎します。私は、校長の石川と申します。よろしくお願いします。
新島中学校では、これまで73年間の歴史の中で、数多くの伝統が先輩から後輩へと受け継がれてきました。これらの伝統のひとつひとつがどのようなものであるかは、これからの学校生活を通して少しずつ理解してもらえることと思います。まずは、みなさんの後ろで見守ってくれている上級生をお手本に学校生活を送ってください。
さて、みなさんのご入学にあたり、充実した中学校生活が送れるよう、「自分は、何のために生まれて、何をして生きるのか」ということについてお話をします。
中学生になると誰もが悩み考えることが多くなります。悩みの多くは、この「自分は、何のために生まれて、これから何をして生きていきていけばいいのか」という生きる意味についてです。どこかで聞いたことのある言葉ではないですか。「何のために生まれて、何をして生きるのか、答えられないなんて そんなのはいやだ」
漫画家、やなせたかしさんの作品「アンパンマン」の主題歌の歌詞の一部です。保育園児など、小さな子供向けの作品ですが、この歌詞の意味は、大人になっても、人が生きている間、ずっと悩み考えるほど、奥の深いものです。
みなさんは、保育園や幼稚園に通っていたころ、「何のために生まれて、何をして生きるのか」この意味を理解して歌っていましたか。理解できていなくても、この歌の歌詞は心に刻まれていますね。
みなさんは、これからの長い人生の様々な場面でこの答えを探しながら生きていくことになります。その最初の答えを出す時期が中学校時代だと思います。でも、答えは人それぞれ違いますし、答えが見つからず、苦しむ時もあるかもしれません。では、どのようにしていけばよいのでしょうか。
先月3月19日、16名の卒業生がこの新島中学校を巣立っていきました。この生徒たちが高校受験を控えた1月に、私は一人一人と面接を行いました。その中で、将来何をして生きていきたいかと尋ねました。
私が、この生徒たちと面接をして思ったことは、将来の目標をしっかりと持っている生徒が多いことです。もちろん、将来の目標がまだ決まっていない生徒もいましたが、ただ、その生徒たちも何のために高校に進学し、そこで何を学びたいのかという、高校進学の目標をしっかりもっていたことです。素晴らしい生徒たちでした。
この卒業生たちに共通していることは、人の役に立ちたいという気持ちを持っていることです。どうやって人の役に立つかは人それぞれですが、そう思えるということは、自分が何のために生まれてきたのかの答えが持てている証拠です。
そして、もう一つこの卒業生たちに共通していることがあります。それは、毎日の教科の勉強、生徒会活動、行事や部活動などで、何事にも一生懸命頑張ってきたことです。その中で、仲間を一番大切にし、困ったときは助け合ってきたことです。
このことは、今年の3年生も2年生も卒業生から受け継いで頑張っています。新入生の皆さんも、人の役に立つという志を持ち、やるべきことに集中し、仲間を大切にすることを心がけてみてください。きっと、「何のために生まれて、何をして生きるのか」の答えが見えてくることでしょう。
結びになりますが、学校は間違ってもいいところです。失敗を恐れず、愛と勇気をもって何事にも挑戦してみてください。新入生の皆さんが、充実した中学校生活を送れることを願い、入学式式辞とします。
令和2年4月7日 新島村立新島中学校 校 長 石川 鋭一郎